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フロム・ベトナム


町の外れでふたり 一つの影になろう

あなたの羽織るシャツの

アイロンの焦げた香り

頭のざらつき 思い出す


足の裏に残った 石ころの付いた跡

汗ばんだ手の中で

強く握り締めていた

あの日の眼差し 感じてる


星がただただ.... レールを跨ぐ

空にまた瞬いたら

熱い口付けを交わし

恋は甘く 溶けて 溶けていった


暗い市場でひとり 口ずさんでた唄よ

あなたの帰る時を

サイゴンの老いたひとに

尋ねてみたって 分からない


星がただただ.... レールを跨ぐ

そこにあなたがいないか

窓を埋めつくす虫の

群れはまるで 壁の ように見えた


星がただただ.... レールを跨ぐ

そこにあなたがいないか

窓を目を凝らし見てた

空に一つ 赤く 燃えた光り


甘い 恋のように

溶けて 溶けていった

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