微笑みをくれたアゲハ蝶
駅の向こう 葉桜の並木が
騒がしくなるたび 蘇るよ
伝えたくて だけど 言葉に出来ず
蛹にさえ なれずにいた頃
聞こえる ひぐらしの音に
踊る フィルムの影
戻ることない 夏の日 太陽に溶けた アゲハ蝶
寄り添う肩に 止まったら
微笑みをくれたんだ 焼けた頬に
「上手だね!」って 言われると 嬉しくて
いくつも描いてた 家族の風景
今なら きっと もっと 上手に出来る でも
あんなに愛おしくは 描けない
いつでも 川は流れてる
それに 逆らわずに 生きたい
取り戻せない 青い日 消えることない 想いも
羽根に刻んで 飛びたい
悲しみも 引き裂くような 空に
戻ることない 今日の日 太陽のような アゲハ蝶
落ち込む肩に 止まったら
微笑みをくれたんだ 白い頬に
羽ばたいて 胸の奥の 強い光
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